【アメリカの今】アメリカという国

アメリカの現状を、ポートランドからシェアしていけたらと思っています。

アンドリュー・ブラウン ジュニア氏の殺害

ジョージ・フロイド氏殺害の裁判が終わり、色々と書くことを考えていたのですが、相変わらず警察官による黒人の殺害が立て続けに起きているアメリカ。ひとくくりに警察が悪いなんて言うつもりはありません。事件ごとに見ていく必要があるからです。

アンドリュー・ブラウン ジュニア氏の殺害

Andrew Brown Jr.(アンドリュー・ブラウン・ジュニア)氏が4月21日(水)の朝8時半に警察官によって殺害されました。ニュースによると「薬物の捜査令状の執行」中にブラウン氏は車の中で撃たれたようです。目撃者によると、ブラウン氏が車の中にいる時に5~6発ぐらい撃たれたみたいだと。そしてブラウン氏は後頭部も撃たれていたそうです。ちなみに現場にいた7名の警察官が事件後、休職扱いとなりそのうち3名は辞職しました。ちなみにアメリカではこのような事件があった時に、警察官が一時的に休職扱いとなるのは普通のことです。しかし3名がすぐに辞職…どうしてでしょうかねぇ~。ブラウン氏の親族によると、警察はブラウン氏の自宅と車から違法薬物や銃を見つけることはできなかったと伝えたようです。

ちなみに事件が起きたノースキャロライナ州エリザベスシティの位置はここです。f:id:Portlander:20210427123307j:plain

親族のみへの映像公開

警察官は7~8人ほど現場にいたようです。そして先ほど警察がブラウン氏の親族に現場にいたうちの1人の警察官のボディカメラの映像を20秒だけ見せました。もちろん、親族は現場にいた全員のボディカメラの全映像を要求していますが、見せられたのはたった1つの20秒間だけの映像。もちろん地元の人も警察のボディカメラ映像を一般公開することを要求しています。市民が罪を犯した時はすぐに映像を公開する警察。だけど自分達に不利な場合は公開を遅らせる…このダブルスタンダードを是正すべきだといっている政治家もいます。

ボディカメラの映像をいまだに公開していない警察。この行動からも明らかに警察が何か違法なことをしたと言っているのと同じだと思われても仕方ありません。都合が悪いから見せないって…子供じゃあるまいし。やましいことが無いなら、すべて一般公開すればいいのにそれができない状況なんでしょう。そして親族に映像を見せる前に、ノースキャロライナ州エリザベスシティは非常事態宣言をしました。これは、映像を一般公開したら大変なことになるってわかっているからではないでしょうか。

4月27日、家族が個人的に頼んで行われた第三者機関による検視の結果は、ブラウン氏は5発撃たれていて、4発は右腕に、そして1発は後頭部の頚椎の付け根の部分でした。 

緊急時のみ発砲可能

このようなニュースの場合、どうして警察官に従わないのか。従わなく逃げようとしたら撃たれても仕方ないというコメントを日本のYahooニュースなどで見かけることがあります。アメリカでは警察官が武器を持っていない一般市民を撃ってはダメです。それがたとえ逃げようとしてもです。一般市民を背後から撃つなんて言語道断です。

言い換えると、拳銃を使った強盗殺人が起きて、その容疑者が拳銃を所持したまま逃げた場合、付近に危険が生じる可能性があると判断した場合は警察官はその容疑者を撃つことができるーーーこれぐらいよっぽどのことでない限り、警察官は発砲できないはずなんです。

スピード違反をした時…

アメリカに来た当時、カリフォルニア州の高速道路でスピード違反の切符を切られました(スミマセン)。もちろん自分でも切符を切られた理由が分かっていたし、その警察官もスピード違反のことだけについて話をしたので、素直に違反切符を受け取りました。ですがもしこの時、以下のような質問をされていたらどうでしょうか?

  • どこへ行こうとしているのか?---私がどこへ行こうとしているかなんてスピード違反と関係ないし…。
  • 当時乗っていたのがインフィニティという高級車だったのですが、どうして高級車を所有しているのか?---大きなお世話だし(笑)。
  • 何の仕事をしているのか?---要するに怪しんでいるってことでしょ。

youtubeで見ると、実際このような質問をしてくるアメリカの警察官もいるようです。スピード違反で一般市民を止めたら、その切符を切るのが役目。もちろん運転手が酔っているとか、違法薬物の匂いが車内からするとか、銃が車内にあるとかなら話は別ですが、ただのスピード違反なので必要最低限の情報【運転免許所、車両の登録証、車の保険に入っている証明書の3点】のみを提示して、切符を受け取っておしまいのはずです。でも、そうじゃないことが起こるのがアメリカです。東京で生まれ育った者としては、別にやましいことがないなら警察官の質問に全部答えたっていいじゃん!と最初は思っていました。なぜなら警察官という職業を信用していたからです。警察官が嘘をつくはずがないと…。これは全く持って平和な日本という国で育った私の感覚でした。

でもアメリカは違います。何度も言いますが、良い警察官もいますが悪い警察官(bad cop)もいます。もし悪い警察官に当たった場合、最悪の場合…人生が終わる可能性があります。なのでアメリカでは上記のような質問をスピード違反者にすること自体、警察官が間違っているのです。だからこのような質問に答える必要すらないんです。そしてこのような質問をしてくる警察官…bad copの匂いがしています。ただのスピード違反なのに「車内を調べてもいいか?」なんて聞かれて、やましいことが無いから「もちろん良いですよ」と答えて、違法薬物の小袋を仕込まれて車から発見したなんて嘘をつかれたらたまったものではありませんから。

73歳の認知症女性への警察官の対応

このブログを書いている最中に、またひとつ悪い警察官のニュースが入ってきました。コロラド州の警察官が2020年6月に73歳の認知症の女性が1300円ほどの商品を支払わずに店を離れたと連絡があり警察が現場へ。73歳の女性は身長152㎝で、体重36㎏。この女性は男性警察官に腕をへし折られ、そのまま警察署へ連行し、救急車も呼ばず2時間以上放置。そして警察署に戻った警察官が椅子に座りながら話している様子が映っているビデオが公開されました。そこでは、警察官同士がフィストバンプ(拳と拳をぶつけるジェスチャー)を2度ほどしています。このジェスチャーは、ハイタッチと同じような意味があります。この警察官たちは、自分のボディカメラの映像を職場で再生し、腕を折った瞬間の話を楽しそうに話しています。そして、この女性をfelony(重犯罪)として処理するかい?なんてとても気軽に話している様子が映っていました。 言うまでもなく、この警察官達は訴えられました。さて、この先どうなるでしょう…。

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