【アメリカの今】アメリカという国

アメリカの現状を、ポートランドからシェアしていけたらと思っています。

ジョージ・フロイド氏殺害に対しての求刑

いやぁ、6月1日と2日、ポートランドは暑かった。1日の最高気温は35度で、2日が33度。で、本日3日が28度。wikipediaによると6月のポートランドの平均気温は最高が24度で最低が11度です。1日と2日のあまりの暑さにクーラーを今年初めて使いました。で今日は夜ご飯を7時に食べ、キッチンを片づけて8時から映画でも見ようと思っていたのですが、予定を変更して1時間ほど外を散歩してきました。歩いた距離は3mile(4.8km)。気温も20度で風もあり、とても快適。これは散歩途中に撮った写真です。8時過ぎですが、まだまだ明るいです。

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さて今日はジョージ・フロイド氏の事件の続報です。昨年5月にフロイド氏の首を膝で圧迫し死亡させた元警察官のDerek Chauvin(デレク・ショーヴィン)被告に対し、検察は禁錮30年を求刑しました

ちなみに罪状は以下の通りです。この3つすべてで有罪という判決が出たのが4月20日です。

  • 第2級殺人(最長禁錮40年)
  • 第3級殺人(最長禁錮25年)
  • 過失致死(最長禁錮10年)

ちなみにこの元警察官の弁護士は、デレク・ショーヴィン被告が元警察官であること、そして犯罪歴がないということ点をふまえて執行猶予、もしくは短い実刑を求めました。

刑の減軽を求めた理由

 この弁護士が執行猶予を求めた理由は以下の通りです。

  • 平均的に警察官の平均寿命は一般市民の平均寿命より短い
  • そして一般市民男性より病気で亡くなる可能性が高い
  • デレク・ショーヴィン容疑者は心臓に疾患があると診断されているので他の警察官同様に平均寿命より早く死ぬ可能性が高い

これらの理由を聞いて、「And?」というのが私の第一声です。日本語で言うと、「で?」って感じです。こんなことが理由で実刑を免れて執行猶予だけなんてありえません。そしてこの事件で亡くなったジョージ・フロイド氏の寿命はについてはどう考えているのでしょうか…。

求刑30年の理由

ちなみに第2級殺人の刑量は平均で実刑12.5年です。ですが検察側はそれよりもっと長い実刑30年を求刑しました。それはこのような理由からです。

  • フロイド氏は手錠をかけられ抵抗できない状態であったこと
  • 10分近くも膝で首を圧迫するという残酷な行動をとったこと
  • 9歳児を含む複数の子供と一般市民の目の前でそのような行動をとったこと…などなど

 ミネソタ州のガイドラインによると犯罪歴がない人による第2級殺人の刑量は10年8か月から15年が基準とされています。なので30年の求刑は異例と言われています。

実際はどうなる?

ではもし求刑通り禁錮30年が妥当と判断された場合、30年間刑務所にいるかというとそうではありません。ミネソタ州では刑期が5年以上の場合、模範囚でなおかつ刑期の2/3を刑務所で過ごしたら、その後は仮出所となります。つまりこの場合、もし禁錮30年なら20年後に仮出所となります。ちなみにこの被告は現在45歳です。

アメリカでは2005年以来、142人の警察官が職務中の発砲によるmurder(殺人)、もしくはmanslaughter(殺すつもりがなかった殺人)で起訴されました。ですが今まではほとんどの場合、不起訴処分でした。そしてこのデレク・ショーヴィン被告は珍しく有罪判決を受けた8人目(142人中)の元警察官です。アメリカでは殺人の有罪判決を受けた場合の平均の禁固刑の長さは48.8年と言われています。ですが、これが警察官が職務中に殺人をし有罪判決を受けた場合は平均で16.4年となります。アメリカでは州にもよりますが、模範囚の場合、刑期の半分で仮出所になる州もあります。

 

この事件の刑量は6月25日に言い渡されます。さて、一体どのような刑量になるのでしょうか…。

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