【アメリカの今】アメリカという国

アメリカの現状を、ポートランドからシェアしていけたらと思っています。

The difference: 違い

今現在アメリカで話題の裁判が2つあります。1つ目は2020年8月に2人を殺害したKyle Rittenhouseに対する裁判。2つ目はAhmaud Arbery氏殺害に関する裁判です。

 

両方ともとても今のアメリカを理解するには大切な事柄だと思うので、ちゃんと説明できたらいいのですが、難しいですよねぇ。なぜならアメリカで起こった事件を、日本に住んでいる日本人が耳にして、日本人の感覚で考えるからです。

 

私もアメリカに来るまで、いたって普通の感覚を持っている日本人だったと思います…(たぶん。笑) 目黒区東山で生まれ引っ越しを数回したものの、ずっと東京で育ち短大を卒業後、神谷町で7年ぐらい働きました。ちなみに、ご存じない方もいらっしゃるかもしれないので、神谷町とは港区の旧町名で今でいう虎ノ門です。その後は銀座や渋谷でも。あぁ~懐かしい(笑)。

 

最近の日本は以前に比べて物騒になってきた…と言われています。確かにそういうニュースを耳にする機会が多くなったように感じます。でも、それでもまだまだ日本は安全な国だと思います。アメリカは銃社会だから危険だと思われますが、それだけではありません国籍も違えば、肌の色も違う、考え方も違う、母国語も違う、宗教も違う、経済格差もあり、そしてそれに加えて…銃もある。あっ、あと薬物も。

 

日本で働いていた時も、もちろん厄介な人とか関わるのが面倒くさい人とか…言うまでもなくたまに居ましたよ(笑)。でももちろん仕事上だったので、そういう人とも必要最低限のかかわりだけは持ちました。同じ日本人同士ですら、合う/合わないなどありますよね。それがアメリカになると、もうスゴイとしか言いようがありません(笑)。それに私はwikipediaでもありません。誰がどこの国から来ていて、その国の歴史や宗教観などほとんど知りません。もちろん知っているに越したことはないのですが…。残念ながら、世界史や世界地理…学生時代ほぼ興味がなかったもので…。

 

でも、基本的に恐れることはありません。知らない事&分からない事は聞いてみます。大事なのはその聞き方。あと聞いても大丈夫な事、聞かないほうがいい事、ここの境界線も確かにとても難しいです。例えば、知り合いと話している時に、その人が「魚は食べないんだよねぇ」と言ったとします。日本にいた時の私は、「アレルギー?それもと単に嫌いだから?」とか「じゃぁ、肉は?」など普通に聞いていました。アメリカでも、近しい間柄の相手だったら聞くかも...しれません(かも…ですよ)。でもそれ以外の相手だったら、理由は聞きません。特に相手がアメリカ人だったら…。だって"none of your business(あなたの知ったこっちゃない、余計なお世話だ)"と言われる可能性もあるからです。もしくは"Tell me why you eat fish?(じゃぁ、あなたはどうして魚を食べるの?)"と逆に質問されることもあるでしょう。こういう会話は実に面倒くさいし、その理由を考えたこともないし(笑)。だから「へぇ~そうなんだ、魚食べないんだねぇ」って言うだけです。

 

話は戻って、Kyle Rittenhouseに関して。私は有罪であるべきだと思っています。もし誰かが自分が住んでいる家に入り込もうとしていて、その人を射殺したというのであれば自己防衛ですが、事件当時17歳であった未成年のKyleが、何の関係もないKenosha(ケノーシャ)という地域へ殺傷能力の高い半自動ライフルであるAR-15型を持って出かけていきました。Kenoshaでは黒人男性が警官に背後から7発も銃撃されて重傷を負った事件に対しての抗議デモが行われていました。(ちなみにこの男性は半身不随となりました)。Kyleの言い分は、その地域のビジネスを守りたかったとのこと。地域を守るのは警察の仕事であって、警察官でもない、ましてや未成年が他の州からわざわざ来て…それでもってself defense…。ちなみにKyleはイリノイ州Antiochに在住でKenoshaはウィスコンシン州です。距離にして20mile(32km)離れています。 

Breaking News

さきほどKyle Rittenhouseの判決が出ました。36歳と26歳の男性を射殺し、別の27歳の男性にも危害を加えたなどとして5つの罪に問われていたのですが、この5つすべてに対し無罪となりました。アメリカでは少なくともデモに参加するという行為は、怪我をするかもしれない可能性が含まれています。警察官にペッパースプレーをかけられるかもしれないし、拘束される可能性もあります。または、異なる考えを持っているグループの人達と殴り合いになるかもしれません。昼間のデモですら色々な危険性があるのですから、夜になればどうなるのか…予想するのは簡単です。このような可能性があるので、昼間の明るいうちのデモにですら、参加したくてもしない人もいます。ですがKyle Rittenhouseは危険だと分かっている場所へわざわざライフル銃を持って出かけていき、襲われて命の危険性を感じたから撃った…これでself defense…なんですかねぇ?今回の判決によると、self defenseらしいですよ。

 

Kyle Rittenhouseの件は、今までのとは少し違います。というのも、今までは白人が黒人を殺害…という流れが多かったのですが、今回はBLMに賛同している白人をこれまた白人のKyle Rittenhouseが殺害したという点です。BLMに賛同している白人も結構います。特に私が住んでいるポートランドや同じ西海岸にあるワシントン州シアトルやカリフォルニア州のロサンジェルスなど。あとはニューヨークシティにフィラデルフィア、シカゴなど。

 

さて、このKyle Rittenhouseの判決を元にself defenseの概念が変わってくるかもしれません。今後、より多くの人がデモに参加するときに銃を持ってくる可能性が出てきます。そして所持だけではなく、self defenseを理由に発砲する可能性が出てきます。トランプサポーターの人達でもあるProud BoysやOath Keepersはデモに銃を持ってくる率がとても高いです。ただでさえ、今のアメリカはとてもギスギスしているしピリピリしています。この件を機にself defenseに関して拡大解釈される可能性がありますねぇ。それがとても心配です。

 

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