Ahmaud Arbery殺害への評決
*ぜひ見ていただきたいBBCの動画のリンクを貼っておきました。すべて日本語訳がついていて、とても分かりやすいものだと思います。
2020年2月23日、ジョギング中だったAhmaud Arbery(当時25歳)が白人男性3名に車で追いかけられ、射殺された事件がありました。そして24日の今日、その3名全員に対し有罪という評決が出ました。
このニュースはアメリカのいまだにある根深い人種差別を象徴したニュースだと思います。ただ単にジョギングをしていた人を、言いがかりをつけて殺害した---シンプルに言うとそういうことです。ですが、警察は74日間も殺害に関与する人物を誰もを逮捕しませんでした。その間に殺害時に撮影していた動画が拡散され、パブリックプレッシャーが高まり、最終的に逮捕せざるおえなくなりました。
アメリカでは通常であればこれはa slam dunk caseと言われる類のものです。ここで言うslam dunk(スラムダンク)の意味は、「確実な、容易に勝てる」などと言った意味で使われます。ですが、この事件が起きたのがアメリカの南部にあるジョージア州。南部以外に住んでいるアメリカ人にとっても、この南部のイメージは正直に言うとあまり良くありません。地理的な南部というだけではなく、文化的にもかなり違いがあります。一般論ですが、南部は信仰心がとても強く、銃所持の賛成、中絶反対、伝統を重んじ、夫婦構成は男女のみであるべき...などを支持している保守的な人が多い傾向があります。
追加:是非見てもらいたいBBCの動画
このBBCの動画はとてもよくまとめられていると思います。もし時間がある方は一度見てみることをお勧めします。ページに移動した後に、上部にあるArbery氏の顔写真の部分をクリックすると、動画が始まります。
南北戦争
1861年から1865年にかけて南北戦争という内戦がおこりました。奴隷解放などに反対した南部の11州がアメリカ合衆国から離脱し、アメリカ連合国(Confederate States of America)を作りました。そして奴隷を解放しようとした北部とそれに反対した南部の戦争が始まりました。
南部11州:
サウスカロライナ州、ミシシッピ州、フロリダ州、アラバマ州、ジョージア州、ルイジアナ州、テキサス州、バージニア州、ノースカロライナ州、アーカンソー州、テネシー州
北部:
カリフォルニア州、アイオワ州、マサチューセッツ州、コネチカット州、カンザス州、ミシガン州、デラウェア州、ケンタッキー州、ミネソタ州、イリノイ州、メイン州、ミズーリ州、インディアナ州、メリーランド州、ネバダ州、ニューパンフシャー州、ペンシルベニア州、ニューヨーク州、ロードアイランド州、ニュージャージー州、バーモンド州、オハイオ州、ウエストバージニア州、オレゴン州、ウィスコンシン州
Confederate Flag/Battle Flag
南北戦争の時に南部の連合軍が使用した旗がいくつかあります。その中で今現在でも目にする旗があります。そのデザインがこれです。
南部の人達の中で、「この旗は南部の権利を守るために戦った歴史的伝統を象徴するだけであって人種差別の象徴ではない」と言い、いまだにこの旗を掲げている人がいます。ですが今現在では多くの人がこの旗は奴隷制度開放に反対したときに使われた物で、白人優位の精神を持っている人の象徴として考える人が多いです。
評決前の最終弁論
the closing argument(最終弁論)で被告である白人3名側の女性弁護士が耳を疑うような発言をしました。その時の映像に関するものです。ちなみにすべて英語です。
実体験
2019年にラスベガスとレイクタホに旅行に行きました。ラスベガスではコンドミニアムに1週間泊まり、レイクタホでは4泊しました。ラスベガス滞在時にRoute66の博物館があるアリゾナ州キングマンまで2時間弱ドライブをしました。博物館を見た後、キングスマンの街を散策したのですが、このconfederate flagのステッカーが入り口に張ってあるお店がいくつかありました。いまだにこんなことをしている人や店があるとは…。アメリカの現状を知っている身ですので驚きはしなかったですが、失望はしました。明らかにこういう意思表示をしている店には近寄らない方がいいので、私達はさっさとこのキングスマンという小さい町を離れました。
2018年には、車で7000㎞以上走りアメリカの国立公園巡りをしました。世界中から旅行客が訪れる国立公園の近辺は言うまでもなく全て有名な観光地なので、ホテルやレストランなどで嫌な体験をすることはありませんでした。アメリカでは観光地や大都市ではあまりありませんが、観光地ではない地方の小さい町などですと、強烈なよそ者扱い(=嫌悪感)をあからさまにしてくる人がいます。まぁでも日本人観光客がアメリカを旅行する時は、まずこういう場所は訪れないと思うのであまり心配することはありませんが。
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