【アメリカの今】アメリカという国

アメリカの現状を、ポートランドからシェアしていけたらと思っています。

White rage

ミシガン州の上院議員の中から、3名のRepublicans(共和党)と1名のDemocrat(民主党)の4名を主導とする委員会が8か月をかけ2020年の大統領選挙で不正があったかを調査し、その結果を55ページにわたる報告書として6月末に発表しました。

 

"This Committee found no evidence of widespread or systematic fraud in Michigan's prosecution of the 2020 election."

手短にいうと、この報告書では2020年の大統領選でミシガン州内では不正投票の証拠は見つけられなかった…とのこと。トランプがいたRepublicansがこのような結果を発表したという所が大きなニュースなのです。

 

アメリカの特にRed Statesは、国民に投票させないように色々と手を打っています。普通の国であれば、国民に投票をしてもらいたいので投票場所を増やしたり、期日前投票をしたりしているのですが、アメリカは全く逆のことをしているのです。なぜなら投票総数が増えるという意味は、民主党の票が増えるという意味だからです。そうなると、共和党に不利になります。今年に入ってミシガン州の共和党の上院議員は39もの新しい選挙規制&制限を求めています。

  • 不在投票の制限
  • 選挙当日の制限
  • 期日前投票の制限
  • 郵送による投票の制限...などなど

アメリカでは貧困層や高齢者などは公的に発行された身分証明書(免許証など)持っていない場合があり、そういう人達は身分証明ができないので投票させないようにしたり。民主党が多く存在する地域の投票場所をものすごく少なくし、投票当日に数時間から8時間ぐらい並ばなければ投票できないようにしたりと、とにかく色々な手を使って民主党の票数を減らそうとしています。

 

話は最初の報告書に戻りますが、この3名共和党員のうち1人は40歳のED McBroom氏です。彼には妻のSarahと5人の子供がいます。そして弟のCarlと一緒に住んでいて、その弟には妊娠中の妻Susanと7人の子供がいます。ファミリービジネスとして一緒にfarm(農園/農場)をしていて、大家族として生活をしています。

 

ちなみにトランプはこの報告書が発表されるやいなや反論の声明を発表し、なおかつMcBroom氏の事務所の電話番号などを表示しこの上院議員に電話をして、正しいことをするように伝えよう。もしくは投票で除籍させろ」と書きました。

 

この報告書を発表してから、McBroom氏には色々な脅迫があるとのことです。日常生活の中で一番困っているのが夜中にかかってくる電話だそうです。McBroom氏のfarmの電話番号は簡単に調べられるからです。そして平日は大家族を残して仕事に行くのでその間の家族の身の安全を危惧しています。そして最後にこう述べました。

"These are good people, and they're being lied to, and they're believing the lies.  And it's really dangerous."

(要約)「彼らは良い人達なんです。ただ嘘をつかれ、彼らはその嘘を信じているのです。そしてこれはとても危険な事なんです。」

 

アメリカではここ最近、頻繁にwhite rageという言葉をニュースなどで耳にする機会があります。このwhite rageというのは2016年にノンフィクションとしてジョージア州にある私立のEmory Universityの教授Carol Andersonによって書かれた本のタイトルなのです。ちなみに日本ではほとんど知られていないと思いますが、このEmory Uniは最難関名門大学の一つです。数日前ですが、アメリカの軍人(制服組)のトップであるGeneral Mark Milley統合参謀部議長がとある公式の場でこう発言しました。

"I want to understand white rage, and I am white."

要約「私は白人の激怒/憤慨を理解したい、なぜなら私も白人だから」

 

White rage…なんと訳すのが一番ぴったりくるのか…angerは一般的に使われる怒りという意味なんだけど、rageになると憤慨とか自制心を失うほど激しい怒りといった感じです。白人とマイノリティーの格差が差が、経済的にも学力的にもどんどん無くなりつつあり、なおかつ白人が今度はマイノリティーとなるが2045年と言われています。今が白人が力を持っている最後の時という考えから、その力を失わないように悪あがきをしているように私は感じますもしアメリカ国内で、黒人、メキシコ人、アジア人が協力体制をとった場合、白人が1番だと思っている人達にとっては大問題。だからアジア人へのヘイトクライムのニュースでも、あたかも主に黒人がアジア人に暴力を振るっているかのように報道していますそうすれば、アジア人が黒人を怖がり、なおかつ黒人に対し怒りを感じ、お互いを嫌うように仕向けられているからです。そうすれば少なくとも黒人とアジア人が協力し合うことがなくなるからです。ですが、実際はアジア人へのヘイトクライムの3/4、つまり75%は白人によるものという最新の分析があります。

 

私の知り合い達(白人、黒人、ヒスパニック)は、アジア人へのヘイトクライムが増加していた時ぐらいから、私の身を心配してくれました。そして、気をつけてね!と何人もの人から言われました。確かに以前よりは道を歩いている時など、自分の周囲をどんな人がいるか気を配るようにはなりました。暴言を吐かれるならまだしも、突然蹴られたりしたらたまったものではありませんからね。

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